
ひさるきれでぃお 第三回 ゲスト:夜虹
―放送五分前 アジト茶の間にて格闘ゲーム対戦中―
アキラ「ははっ、立ち回りが甘いぜ、深柳。見切ったぁッ! 遊びは終わりだっ」
ヒサキ「バカぁ! なんでそこで超必出すのよ!」
アキラ「バカとはなんだ。相手のジャンプを誘い、そこを上体無敵の超必で刈り取るってのは至極定石だろう?」
深柳 「フッ。かかったのはアキラの方だ。ガードキャンセル後方回避・・・」
アキラ「なっ!? 嘘だろ、間に合うハズがないのに何故ガードされる!」
ヒサキ「甘いのはあんたよ。リンの飛び込みには着地まで1フレーム以上余裕があるもの。誘われたのはあんたってワケ」
アキラ「くそ。だが、まだだ。まだ回避されただけ――」
深柳 「気づかないようだな。僕がどうして『後方回避』をしたのか。僕のターンは終わっていない! 後方回避に続いて下段小キック、そしてキャンセルからの超必殺ッ!」
アキラ「こ、このままでは終わらんぜーっ!」
ヒサキ「はー。あんたの負けね。まーったく、やれやれだわ。あんたってばテレビゲームも弱いのねぇ」
アキラ「いいんだ・・・。どうせ俺なんてこんなものさ」
深柳 「ふふ悪いなアキラ・・・。これが深柳の拳だ」
アキラ「おい、深柳。もう一回やろうぜ」
深柳 「望むところだ」
ヒサキ「ちょっと! 次はあたしの番よ! アキラ、あんた負けたんだからコントローラー貸しなさいよ」
アキラ「ちっ。へいへい、ほらよ」
ヒサキ「へっへー、頂きぃ。今んところ、リンとは引き分けだったわね。そいじゃキャラは、な・に・に・しよーかなーっと」
アキラ「なぁ、ヒサキ。一人使わせてくれよ」
ヒサキ「はぁ? イヤよ」
アキラ「頼むって、一矢でも報いたいんだ。一人だけでいい。このとーりっ!」
深柳 「やらせてあげたら? 僕は構わないし」
ヒサキ「しゃーない。優しいヒサキちゃんだもんね。ほら、選んでいいわよ。ただし、ずえったい私のキャラと被らないことっ」
アキラ「解ってるさ。どうせお前は投げキャラオンリーだろ。んじゃ、俺はやっぱりこのキャラでいくぜ」
ヒサキ「はっ。バカの一つ覚えね。・・・まぁいいわ。あたしは、これとこれっと」
深柳 「二人とも投げキャラか。ヒサキの投げはどうも吸い込みが凄まじいから苦手だ・・・。それに一瞬であの長いコマンドを完成させる。それは――何故だ?」
アキラ「俺も気になっていたところだ。後ろから見ていていつも思うが、ヒサキのコントローラー捌きは常人のそれじゃないからな」
ヒサキ「ははン。そりゃあ、あたしのプロフィールに『2D格闘ゲームが得意』って書いてるくらいだからね。あんたたちみたいな、ヌルゲーマーに負けてられないわ」
深柳 「・・・だが、動きのクセは大体わかってきた。それに技も大振り。悪いが、次は僕が勝たせてもらう」
ヒサキ「へー。言ってくれるじゃない。講釈は充分、さぁ対戦するわよ!」
深柳 「ああ!」
夜虹 「貴女達ねぇ・・・もう、とっくに放送始まっちゃってるんですけどぉ」
ア&ヒ&深「え!?」
―放送開始―
ヒサキ「どっせーい! ってなわけで、再び始まりました。ヒサルキレディオ、第三回目の放送です。放送がちょーっちだけ遅れちゃいましたけど。まるっと気にせず進行していくわ。えー、自己紹介はさすがにもういいわよね」
深柳 「少しは気にしたほうがいいような。というより、格闘ゲームネタは分からない人が大半だと思う・・・」
アキラ「無駄だ。ヒサキがやりたいと言い出したらそれは絶対だからな。それより、さっきの黒髪の女の子は一体なんだったんだ?」
ヒサキ「さーてね。なんか、すぐにまた飛び立って行っちゃったし。謎ね」
深柳 「うん。謎だね」
アキラ「ああ、謎だな」
夜虹 「わ、私はここに居ます! さっきから、ずーっとこの席に座ってます!」
ヒサキ「あら、居たの。チビっこくて気づかなかったわ。ほっほっほ。ごめんあさーせ」
夜虹 「なっ、なんですって、このデカ犬!」
ヒサキ「別にデカくないわよ。このチビ猿!」
ヒ&夜「むっきー!!」
アキラ「あー。なんだ、これは?」
深柳 「僕にきかれても困るよ・・・」
アキラ「やれやれ。とりあえずCM行っとくか」
―CM中―
ヒサキ「大体、あんたなんで三回目でノコノコアホ面引っさげてやって来てんのよ! 其の拾から其の拾壱までにあんた出てきてないでしょーが!」
夜虹 「だから、さっきから何度も言ってるでしょう。ゲストで呼ばれたから仕方なく来たんですって。でなければ、誰があなたたちなんかと・・・」
ヒサキ「イヤなら、今すぐ帰んなさいよ! しっし」
―本番再開―
夜虹 「まったく、キャンキャンと。本当よく吼える犬ですねぇ。はー、イヤです。イヤです。これだから下品なケダモノは」
ヒサキ「言わせておけばイヌだとかケダモノだとか、人をワン畜生みたいに言うんじゃないわよ!」
夜虹 「うふっ、そうでしたね。ワンちゃんのほうが貴女なんかより余程賢いでしょうし。ワンちゃんに失礼しました」
ヒサキ「きー! ちょ、ちょっと、あんた表出なさいよ!」
夜虹 「あらあら、こわぁい。だからケダモノなんですよ、貴女は」
アキラ「・・・おい、お前らなぁ。もうとっくに本番再開してるぞ」
深柳 「このままだと振り返る時間はもちろんのこととして、ハガキ読む時間さえなくなるよ・・・」
夜虹 「ですってぇ、ケルヴ」
ヒサキ「わかったわよ・・・。でも、その前にその変な呼び方やめてよね。せめてこの場だけでも名前で呼びなさいよ」
夜虹 「はぁ? 貴女の名前なんて誰が呼ぶものですか。甚だ穢らわしい」
ヒサキ「こ、この――」
アキラ「はい、そこまで。もういいだろ、ヒサキ。このままじゃラチがあかん。お前が一々反応してたら、いつまで経っても進められん」
ヒサキ「あんたに言われなくても、わかってるわよ。あーもう、どっから始めればいいか分からなくなったじゃない!」
深柳 「とりあえず、構成作家からメモを渡されたんだが」
アキラ「なんて書いてあるんだ?」
深柳 「・・・急遽として、このChapter.3にサイドストーリー夜虹の回想も入れる。とのことだ」
ヒサキ「ちょ、ちょっと待ちなさいよ。まだ拾壱までの回想も始まっていないのよ!? その上、サイドストーリーの分までこの回に入れるってどう考えても尺が足りないじゃん」
アキラ「俺もフツーに無理があると思うぞ」
深柳 「どうやら、拾壱までを終えたらそこで区切り、『続きを読むから』をまたいでサイドストーリー編をやるようだ。・・・巻きでな」
ヒサキ「なーにそれ。無理にこの回に押し込む必要はあるのかしら」
アキラ「あると思うぞ。お前達の険悪ぶりを見てたら、さすがに俺でもヤバイってのは解る。どうせラジオ5回目にあたるサイドストーリーの回想にそこのええっと・・・誰だっけか」
夜虹 「・・・ヤコウ」
アキラ「そう、夜虹が再びゲストとして登場して、またお前とケンカしつつ押し押しな状況になったらと思うと気が気でない。だったら、この回におさめちまおう。そう考えたんだろう」
ヒサキ「ふん。そうねぇ、何度もこのバカ猿に来られても困るし。そうしましょ」
夜虹 「わ、私だってこんなくっだらない『ラジオ』なんかにそう何度も――」
深柳 「ストップ。この黒いメモ、キミ宛てみたいだよ」
夜虹 「え・・・?」
アキラ「なになに、『この場は被験者三人と仲良くしろ。これは命令だ。さもなくば・・・』この後は真っ白に塗りつぶされていて読めん」
夜虹 「・・・・・・」
ヒサキ「固まっちゃったわね」
深柳 「おまけに顔面蒼白だ」
アキラ「おーい、大丈夫か?」
夜虹 「は、はひっ!」
深柳 「・・・もう一回CM挟んだほうが良さそうだな」
―CM中―
ヒサキ「もう時間がないわ。CM明けと同時に拾壱まで、ぱっぱと終わらせちゃうわよ。いいわね、夜虹」
夜虹 「・・・あ、ええ」
ヒサキ「なんだか調子狂うわね」
アキラ「どうやら、この黒いメモを書いた主には逆らえないようだな」
深柳 「それ、構成作家の字じゃないよね」
―本番再開―
深柳 「・・・さて、今回は第一章あるゲームの物語、其の拾から10.5話をはさみ、其の拾壱までのお話を追って行きたいと思います。とはいえ、拾、10.5とアキラの夢が中心だったから僕らの出番はほとんど無いな」
ヒサキ「リンはいいわよ、ちゃんとした戦闘シーンがあったんだから。あたしなんて、『ナポリタンがいいー』ってトンチキな台詞一つだけなんだから」
アキラ「そういえば、お子様ランチかってツッコんだ記憶があるな。今思えば、あのツッコミもどうかと思うが、いやはやナポリタンは子供っぽいというか。意外だったからな」
ヒサキ「別にいいじゃん。好きなもんは好きなんだからさ・・・」
深柳 「僕は好きだけどな。スライスチーズを加えれば、なんでもイケる」
アキラ「・・・お前の特盛チーズカレーが懐かしいぜ」
ヒサキ「でさー、あんたのその夢について振り返るって話なんだけど。どうなのよ」
アキラ「正直、あまり覚えてないんだなそれが」
ヒサキ「なによそれ。それじゃ広げようがないじゃない」
アキラ「うーむ。雪が降っていたってイメージはなんとなくだが覚えてる」
深柳 「雪、か。このゲームには無縁そうだけどね」
夜虹 「私も・・・雪の夢、よく見る、ような気がします」
ヒサキ「ふーん? そりゃまた妙ちんくりんな偶然だこと。ほいじゃフツオタの方ご紹介させていただくわ。えー、『ゆうれいのお時間』さんから頂きました。もしこの物語が映像化するとして、アイキャッチがあるならばどのようなものにしたいですか?」
夜虹&アキラ「アイキャッチ?」
深柳 「あれだ、アニメで言えばCMの前後に入る一枚絵みたいな」
ヒサキ「それに関しては、構成作家さんのほうから既に案を頂いているわ。うーんと、『アキラ、ヒサキ、リン、夜虹の四人のうち三人がそれぞれ最初に[ヒサルキゲームの]と言う。そして最後に、現在その話に一番深く関わっている人物が集束した一枚絵と共に[物語]と付け加える』とのことよ」
夜虹 「口頭で言われてもイマイチピンと来ませんね」
アキラ「つーか、こんなこと考える暇があったら本編進めればいいのにな」
ヒサキ「ま、物の試しってワケで実際にやってみましょ。丁度キリもいいし、このアイキャッチで『続きを読む』にまたぐとしましょう」
深柳 「で、最後に台詞を言う役は誰だ?」
ヒサキ「そりゃモチのロンとしてゲストのこの子でしょ」
夜虹 「ちょ、ちょっとぉ。そんなこと急に言われても困り―」
ヒサキ「四の五の言わなーい。巻きよ巻き。んじゃアキラからいくわよー。・・・3、2、1、どーんっ」
アキラ「ヒサルキゲームの」
深柳 「ヒサルキゲームの」
ヒサキ「ヒサルキゲームの・・・」
夜虹 「も、ものがたひっ!」
ヒサキ「はっ。ダメね。やっぱ文面でやっても、アホっぽいだけだわ。それに最後、噛んでるし」
夜虹 「なんでこの私がこんな馬鹿げたことを・・・」
以下、↓続きを読むをクリックでChapter.3後編へ
アキラ「ははっ、立ち回りが甘いぜ、深柳。見切ったぁッ! 遊びは終わりだっ」
ヒサキ「バカぁ! なんでそこで超必出すのよ!」
アキラ「バカとはなんだ。相手のジャンプを誘い、そこを上体無敵の超必で刈り取るってのは至極定石だろう?」
深柳 「フッ。かかったのはアキラの方だ。ガードキャンセル後方回避・・・」
アキラ「なっ!? 嘘だろ、間に合うハズがないのに何故ガードされる!」
ヒサキ「甘いのはあんたよ。リンの飛び込みには着地まで1フレーム以上余裕があるもの。誘われたのはあんたってワケ」
アキラ「くそ。だが、まだだ。まだ回避されただけ――」
深柳 「気づかないようだな。僕がどうして『後方回避』をしたのか。僕のターンは終わっていない! 後方回避に続いて下段小キック、そしてキャンセルからの超必殺ッ!」
アキラ「こ、このままでは終わらんぜーっ!」
ヒサキ「はー。あんたの負けね。まーったく、やれやれだわ。あんたってばテレビゲームも弱いのねぇ」
アキラ「いいんだ・・・。どうせ俺なんてこんなものさ」
深柳 「ふふ悪いなアキラ・・・。これが深柳の拳だ」
アキラ「おい、深柳。もう一回やろうぜ」
深柳 「望むところだ」
ヒサキ「ちょっと! 次はあたしの番よ! アキラ、あんた負けたんだからコントローラー貸しなさいよ」
アキラ「ちっ。へいへい、ほらよ」
ヒサキ「へっへー、頂きぃ。今んところ、リンとは引き分けだったわね。そいじゃキャラは、な・に・に・しよーかなーっと」
アキラ「なぁ、ヒサキ。一人使わせてくれよ」
ヒサキ「はぁ? イヤよ」
アキラ「頼むって、一矢でも報いたいんだ。一人だけでいい。このとーりっ!」
深柳 「やらせてあげたら? 僕は構わないし」
ヒサキ「しゃーない。優しいヒサキちゃんだもんね。ほら、選んでいいわよ。ただし、ずえったい私のキャラと被らないことっ」
アキラ「解ってるさ。どうせお前は投げキャラオンリーだろ。んじゃ、俺はやっぱりこのキャラでいくぜ」
ヒサキ「はっ。バカの一つ覚えね。・・・まぁいいわ。あたしは、これとこれっと」
深柳 「二人とも投げキャラか。ヒサキの投げはどうも吸い込みが凄まじいから苦手だ・・・。それに一瞬であの長いコマンドを完成させる。それは――何故だ?」
アキラ「俺も気になっていたところだ。後ろから見ていていつも思うが、ヒサキのコントローラー捌きは常人のそれじゃないからな」
ヒサキ「ははン。そりゃあ、あたしのプロフィールに『2D格闘ゲームが得意』って書いてるくらいだからね。あんたたちみたいな、ヌルゲーマーに負けてられないわ」
深柳 「・・・だが、動きのクセは大体わかってきた。それに技も大振り。悪いが、次は僕が勝たせてもらう」
ヒサキ「へー。言ってくれるじゃない。講釈は充分、さぁ対戦するわよ!」
深柳 「ああ!」
夜虹 「貴女達ねぇ・・・もう、とっくに放送始まっちゃってるんですけどぉ」
ア&ヒ&深「え!?」
―放送開始―
ヒサキ「どっせーい! ってなわけで、再び始まりました。ヒサルキレディオ、第三回目の放送です。放送がちょーっちだけ遅れちゃいましたけど。まるっと気にせず進行していくわ。えー、自己紹介はさすがにもういいわよね」
深柳 「少しは気にしたほうがいいような。というより、格闘ゲームネタは分からない人が大半だと思う・・・」
アキラ「無駄だ。ヒサキがやりたいと言い出したらそれは絶対だからな。それより、さっきの黒髪の女の子は一体なんだったんだ?」
ヒサキ「さーてね。なんか、すぐにまた飛び立って行っちゃったし。謎ね」
深柳 「うん。謎だね」
アキラ「ああ、謎だな」
夜虹 「わ、私はここに居ます! さっきから、ずーっとこの席に座ってます!」
ヒサキ「あら、居たの。チビっこくて気づかなかったわ。ほっほっほ。ごめんあさーせ」
夜虹 「なっ、なんですって、このデカ犬!」
ヒサキ「別にデカくないわよ。このチビ猿!」
ヒ&夜「むっきー!!」
アキラ「あー。なんだ、これは?」
深柳 「僕にきかれても困るよ・・・」
アキラ「やれやれ。とりあえずCM行っとくか」
―CM中―
ヒサキ「大体、あんたなんで三回目でノコノコアホ面引っさげてやって来てんのよ! 其の拾から其の拾壱までにあんた出てきてないでしょーが!」
夜虹 「だから、さっきから何度も言ってるでしょう。ゲストで呼ばれたから仕方なく来たんですって。でなければ、誰があなたたちなんかと・・・」
ヒサキ「イヤなら、今すぐ帰んなさいよ! しっし」
―本番再開―
夜虹 「まったく、キャンキャンと。本当よく吼える犬ですねぇ。はー、イヤです。イヤです。これだから下品なケダモノは」
ヒサキ「言わせておけばイヌだとかケダモノだとか、人をワン畜生みたいに言うんじゃないわよ!」
夜虹 「うふっ、そうでしたね。ワンちゃんのほうが貴女なんかより余程賢いでしょうし。ワンちゃんに失礼しました」
ヒサキ「きー! ちょ、ちょっと、あんた表出なさいよ!」
夜虹 「あらあら、こわぁい。だからケダモノなんですよ、貴女は」
アキラ「・・・おい、お前らなぁ。もうとっくに本番再開してるぞ」
深柳 「このままだと振り返る時間はもちろんのこととして、ハガキ読む時間さえなくなるよ・・・」
夜虹 「ですってぇ、ケルヴ」
ヒサキ「わかったわよ・・・。でも、その前にその変な呼び方やめてよね。せめてこの場だけでも名前で呼びなさいよ」
夜虹 「はぁ? 貴女の名前なんて誰が呼ぶものですか。甚だ穢らわしい」
ヒサキ「こ、この――」
アキラ「はい、そこまで。もういいだろ、ヒサキ。このままじゃラチがあかん。お前が一々反応してたら、いつまで経っても進められん」
ヒサキ「あんたに言われなくても、わかってるわよ。あーもう、どっから始めればいいか分からなくなったじゃない!」
深柳 「とりあえず、構成作家からメモを渡されたんだが」
アキラ「なんて書いてあるんだ?」
深柳 「・・・急遽として、このChapter.3にサイドストーリー夜虹の回想も入れる。とのことだ」
ヒサキ「ちょ、ちょっと待ちなさいよ。まだ拾壱までの回想も始まっていないのよ!? その上、サイドストーリーの分までこの回に入れるってどう考えても尺が足りないじゃん」
アキラ「俺もフツーに無理があると思うぞ」
深柳 「どうやら、拾壱までを終えたらそこで区切り、『続きを読むから』をまたいでサイドストーリー編をやるようだ。・・・巻きでな」
ヒサキ「なーにそれ。無理にこの回に押し込む必要はあるのかしら」
アキラ「あると思うぞ。お前達の険悪ぶりを見てたら、さすがに俺でもヤバイってのは解る。どうせラジオ5回目にあたるサイドストーリーの回想にそこのええっと・・・誰だっけか」
夜虹 「・・・ヤコウ」
アキラ「そう、夜虹が再びゲストとして登場して、またお前とケンカしつつ押し押しな状況になったらと思うと気が気でない。だったら、この回におさめちまおう。そう考えたんだろう」
ヒサキ「ふん。そうねぇ、何度もこのバカ猿に来られても困るし。そうしましょ」
夜虹 「わ、私だってこんなくっだらない『ラジオ』なんかにそう何度も――」
深柳 「ストップ。この黒いメモ、キミ宛てみたいだよ」
夜虹 「え・・・?」
アキラ「なになに、『この場は被験者三人と仲良くしろ。これは命令だ。さもなくば・・・』この後は真っ白に塗りつぶされていて読めん」
夜虹 「・・・・・・」
ヒサキ「固まっちゃったわね」
深柳 「おまけに顔面蒼白だ」
アキラ「おーい、大丈夫か?」
夜虹 「は、はひっ!」
深柳 「・・・もう一回CM挟んだほうが良さそうだな」
―CM中―
ヒサキ「もう時間がないわ。CM明けと同時に拾壱まで、ぱっぱと終わらせちゃうわよ。いいわね、夜虹」
夜虹 「・・・あ、ええ」
ヒサキ「なんだか調子狂うわね」
アキラ「どうやら、この黒いメモを書いた主には逆らえないようだな」
深柳 「それ、構成作家の字じゃないよね」
―本番再開―
深柳 「・・・さて、今回は第一章あるゲームの物語、其の拾から10.5話をはさみ、其の拾壱までのお話を追って行きたいと思います。とはいえ、拾、10.5とアキラの夢が中心だったから僕らの出番はほとんど無いな」
ヒサキ「リンはいいわよ、ちゃんとした戦闘シーンがあったんだから。あたしなんて、『ナポリタンがいいー』ってトンチキな台詞一つだけなんだから」
アキラ「そういえば、お子様ランチかってツッコんだ記憶があるな。今思えば、あのツッコミもどうかと思うが、いやはやナポリタンは子供っぽいというか。意外だったからな」
ヒサキ「別にいいじゃん。好きなもんは好きなんだからさ・・・」
深柳 「僕は好きだけどな。スライスチーズを加えれば、なんでもイケる」
アキラ「・・・お前の特盛チーズカレーが懐かしいぜ」
ヒサキ「でさー、あんたのその夢について振り返るって話なんだけど。どうなのよ」
アキラ「正直、あまり覚えてないんだなそれが」
ヒサキ「なによそれ。それじゃ広げようがないじゃない」
アキラ「うーむ。雪が降っていたってイメージはなんとなくだが覚えてる」
深柳 「雪、か。このゲームには無縁そうだけどね」
夜虹 「私も・・・雪の夢、よく見る、ような気がします」
ヒサキ「ふーん? そりゃまた妙ちんくりんな偶然だこと。ほいじゃフツオタの方ご紹介させていただくわ。えー、『ゆうれいのお時間』さんから頂きました。もしこの物語が映像化するとして、アイキャッチがあるならばどのようなものにしたいですか?」
夜虹&アキラ「アイキャッチ?」
深柳 「あれだ、アニメで言えばCMの前後に入る一枚絵みたいな」
ヒサキ「それに関しては、構成作家さんのほうから既に案を頂いているわ。うーんと、『アキラ、ヒサキ、リン、夜虹の四人のうち三人がそれぞれ最初に[ヒサルキゲームの]と言う。そして最後に、現在その話に一番深く関わっている人物が集束した一枚絵と共に[物語]と付け加える』とのことよ」
夜虹 「口頭で言われてもイマイチピンと来ませんね」
アキラ「つーか、こんなこと考える暇があったら本編進めればいいのにな」
ヒサキ「ま、物の試しってワケで実際にやってみましょ。丁度キリもいいし、このアイキャッチで『続きを読む』にまたぐとしましょう」
深柳 「で、最後に台詞を言う役は誰だ?」
ヒサキ「そりゃモチのロンとしてゲストのこの子でしょ」
夜虹 「ちょ、ちょっとぉ。そんなこと急に言われても困り―」
ヒサキ「四の五の言わなーい。巻きよ巻き。んじゃアキラからいくわよー。・・・3、2、1、どーんっ」
アキラ「ヒサルキゲームの」
深柳 「ヒサルキゲームの」
ヒサキ「ヒサルキゲームの・・・」
夜虹 「も、ものがたひっ!」
ヒサキ「はっ。ダメね。やっぱ文面でやっても、アホっぽいだけだわ。それに最後、噛んでるし」
夜虹 「なんでこの私がこんな馬鹿げたことを・・・」
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